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Earth Negotiations Bulletin
アース・ネゴシエーション・ブレティン
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Vol.12 No.591 - 2013年11月20日 水曜日
ワルシャワ会議ハイライト
2013年11月19日 火曜日

火曜日午後からCOP19及びCMP9のハイレベルセグメントの開会式典が行われた。午前、午後、夕方に、コンタクトグループや非公式協議などの会合がCOP、CMP、ADPの下で開催された。これらには、ADPの両ワークストリームに関するオープンエンド協議; 遵守委員会の報告書; REDD+資金; 及びADP共同議長の特別イベントを含む。

COP19及びCMP9ハイレベルセグメントの開会式典

ポーランド首相Donald Tuskがハイレベルセグメント(閣僚級会合)の開会宣言を行い、出席者を歓迎した。ポーランドが主催する2回目のCOP/CMP会合であることに注目しつつ、ポーランド首相は、ポズナニ以降に浮上した課題として金融危機や頓挫してしまったコペンハーゲン国際合意達成、世界エネルギー市場のシフト、最近のIPCCの知見等を概観した。「もう失敗は許されない。気候をおもちゃにすることは出来ない」とし、ワルシャワ会議の重要な目標は国際合意を達成するために必要な内容について“冷静な評価”を下すことだと述べた。

ワルシャワは重要な踏み石であるとして、国連のBan Ki-moon事務総長は、この先に“険しい山登り”が控えていると知らせた。今後のアクションが必要な分野として、京都議定書第二約束期間の批准や、大規模な変革に向けた緩和・適応・資金の野心引き上げ、投資家に向けた適正なシグナルの発信、2015年合意のための確固たる基礎を築くことによって気候の課題を達成するための行動アジェンダの構築を挙げた。また、全ての参加者に対して、2014年気候変動サミットには政治的リーダーシップと行動のための大胆な発表をもって出席するよう招請し、「すべての将来世代と環境的に持続可能な地球のために未来をつくろう」と呼びかけた。

国連総会のJohn Ashe議長は、交渉の課題は理解しているものの、“この会議場の外の光景は寒々としたものだ”とし、2015年に締約国は合意に至らなければならず、それには2020年までの野心や遵守メカニズム、すべての国への適用可能性の問題が含まれていなければならないと述べた。また、気候変動に取組み、締約国が責任放棄したのではないかと疑問視している準国家レベルの政府、市民社会、企業団体に答えて、Ashe議長は、締約国は“闘え、そして立ち上がれ”と呼びかけ、“我々は行動する”と宣言した。

UNFCCCのChristiana Figueres事務局長は、COP19が“明快な科学からの呼びかけ(clarion call from science)と、フィリピンからの説得力ある呼びかけ”を背景に開催されているとし、ワルシャワ会議はリマ会議やパリ会議への道筋をつける必要があると述べた。また、各国の閣僚らに対しては、資金や、“損失と被害メカニズムのための土台、2020年までの野心の引き上げ、新たな合意の要素といった中核的な成果文書に積極的に関与するよう呼びかけた。また、“健全な科学、法で定められた衡平性や全員参加をベースとした意義深い合意案につながる”ように、閣僚らは“実現可能なことと必要なことに集中し、集中力と意思をもって取組むべきだ”と述べた。

その他、ハイレベルセグメントでは、各国・政府の首脳や各国・政府の副代表、閣僚、そのほかの組織代表などの声明発表が続けられた。声明のウエブキャストは、 http://bit.ly/HX8VgK で閲覧可能である。

非公式協議及びその他の会合

両ワークストリームに関するADPオープンエンド協議: 午前、Runge-Metzger共同議長は、引き続きテキスト草案に関する意見を提示するよう締約国に要請し、LMDCからの意見提出に感謝した。また、“希望のリストを述べる時間は終わった”とし、各国に意見が集約できる分野を特定するよう要請した。

スワジランド(アフリカン・グループ)、インド、マリ、中国、ボリビア(LMDC)、フィリピン、ベネズエラを含む様々な途上国が、1000億米ドルの供与への道筋と支援のMRVを求めた。ブラジルは、NAMA向けの資金を強調した。米国は、幅広い決定書パッケージと新たなコミットメントが“この先に出てくるはずがない”という状況の下で、1000億米ドルの資金目標が出されたと強調した。LMDC各国は、緩和のための民間投資の活用に関連した提案に反対した。

締約国間の差異化の特徴と程度に関して、ガンビア(LDC)及びブラジルが、附属書Iと非附属書I国の違いを適用しつづけるのが良いと述べた。

行動強化のための技術的な機会について、ナウル(AOSIS)が、2014年3月までに意見提出を求めるという期限の設定や、事務局に外部機関からのものを含めた技術データの統合のとりまとめを要請すること、2014年3月と6月の専門家会合開催、及び国連気候サミットとCOP20に至るまでに2014年中に閣僚会議を開催することを追加するよう提案し、EUがこれを支持した。

インドは、“技術的なプロセスに着手すること”に反対し、LMDCの諸国とともに、条約の枠外での行動に言及することに警戒感を示した。EUは、ワルシャワ会議で、2015年に法的拘束力を有する合意に至り、緩和のギャップを埋めるべく“軌道に乗っている”ことを示すよう求めた。

中国は、2020年までの実施強化の必要性とバリ行動計画(BAP)を強調しつつ、交渉の焦点を絞るべきだと主張した。LDCの諸国は、衡平性と公正の原則、及びBAP完全実施を通じた信頼醸成について言及するよう求めた。スイスは、ADPでは追加性に焦点をあてるべきだと述べた。

EU及びスイスは、プロセスの透明性が重要だと強調した。ブラジルは、透明性の問題自体が目的では無いとしながらも、もっと透明性を明確化するよう求めた。

インドは、先進国の緩和の野心を少なくとも1990年比40%削減のレベルまで増加させ、技術移転の強化やIPR対策を講じることが必要であると強く主張した。フィリピンは、附属書I国の緩和、資金、技術移転及びキャパシティビルディングに関する報告を強化するよう求めた。サウジアラビア、LDCの諸国及びシンガポールは、先進国のリーダーシップの重要性を強調した。南アフリカは、先進国の緩和行動についての科学的評価を強調した。ベネズエラは、現行制度の実績を評価するよう求めた。

ブラジルは、多国間枠組みの中で準国家レベルの行動を詳細に説明することの難しさを強調した。シンガポールは、準国家レベルでの協働作業は、情報共有と学習という文脈で実施されるべきだと述べた。米国、日本、カナダは、緩和と適応に関する準国家レベルでの協働作業の促進を支持した。夕方も協議が続けられる。

遵守委員会の報告書(CMP): 午前の非公式協議はIlhomjon Rajabov (タジキスタン)とIda Kärnström(スウェーデン)が共同で進行役を務めた。締約国からの提案に沿って共同議長が改訂した決定書テキスト草案の審議が行われた。短い議論の後、2014-2015年の委員会の作業の支援における補助活動のための信託基金への任意拠出に関する文章を削除することで締約国の合意がなされた。テキストには軽微な修正を行った後、CMPに送付する決定書草案について合意がなされた。

REDD+資金(COP): REDD+向けの成果ベース資金の作業計画について、午後から行われた非公式協議では、REDD+資金に関する情報の“ハブ”の創出とGCFの役割について議論がなされた。情報のハブは自発的なツールであり、今後UNFCCCのウェブ・プラットフォームとリンクする可能性をもたせ、追加的な報告義務を課すことなく透明性を促進するという方向で意見の集約が見られた。GCFがREDD+向けの成果ベース資金について中心的な役割を果たすことや既存の方法論が使用されるという点で合意がなされた。また、一部の代表団は、どのように予防策(セーフガード)が講じられ、尊重されているかについての報告や、予防策と共同便益との関連性について認識が必要であることを強調した。他の者は、成果ベースの支払いに関する技術的な項目で進展を図らねばならないと強調しながら、“合意済みの問題について議論を再開させるべきではない”と述べた。

Agus Sari(インドネシア)及びChristina Voigt(ノルウェー)共同議長が作成した、成果ベース資金の作業計画に関する決定書テキスト草案を踏まえ、非公式協議が続けられる。

ADP共同議長の特別イベント: 午後のイベントはJamie Peter (YOUNGOs)が司会を務めた。2015年合意によって、いかに非政府関係者と政府の間の連携強化を推進できるかという問題や、非政府関係者のイニシャティブや行動の認識・強化におけるUNFCCCの役割などがテーマとなった。事務局は、非政府関係者のイニシャティブがUNFCCCのプロセスを触媒、育成、促進、刺激できる方法に取り組むよう出席者に呼びかけた。

フロアから寄せられた意見に対して、ADP共同議長は、低炭素経済やグリーン成長への移行を目指した資金の提供によるメリットについて情報を広めることで、国内政治の気運を生むべく、各国の有権者とともに準備作業を行うとともに、どのような形で2015年合意に衡平性と公正さを反映するかという視点をもつ必要があると述べた。

また、特に、非政府関係者の役割の認識や労働組合の公正な移行、民間気候資金の役割、人権ベースのアプローチ、世代間の衡平性、持続可能な農業や土地利用における女性の役割などについても参加者は議論した。

廊下にて

月曜の交渉は深夜も続けられ、一部の代表団が国立スタジアムを退出できたのは、火曜日の午前6時で、夜明けの光に迎えられることとなった。日中は、ジェンダーと若者の団体から活気があった。本日の“ジェンダー・デー”に際し、気候の危機解決におけるジェンダーの視点からのアプローチの役割を促進しようと、多くの参加者が緑のリボンを着けた。青年NGOの代表がADP共同議長の特別イベントの進行役を務め、午後のハイレベルセグメントでは世代間正義というテーマも提起され、多くのスピーカーが参加者に“自分の子供達だけでなく、その子供達の子供達の事まで”考えてほしいと呼び掛けた。また、ADPの議論については、2015年のパリ会議に向けた道を切り開くのがワルシャワの具体的な成果であると繰り返し呼び掛けられているものの、種々の高官からも全体的にフラストレーションが溜まっているのではないかとの所感が示された。

2日目に入ったADP決定書草案の議論については、締約国が落としどころを見つけられず、ひたすら“見解が分かれる分野が強調される”ことになるのではないかと、ある政府代表は“悪い予感が募る(growing sinking feeling)”現在の胸中を明かした。ポーランドのDonald Tusk首相の言葉を借りると、“各プレイヤーが自分の仲間と競争している”ハイレベルセグメントの会合で、ある政府代表が憂慮していたのは“試合に勝つのは(プレイヤー個人ではなく)チームだけだ”という事実を締約国が忘れつつあるのではないかということだ。多くの参加者が現在も審議継続中の手続き問題について不安を抱えており、これまでのところの交渉スピードの遅さを懸念していた。しかし、あるUNFCCCベテラン交渉官は、COP19も“金曜深夜に、最終的にはパッケージ合意に至る”という“典型的なCOP”になると参加者を元気づけていた。

#COP4台風30号の連帯行動:フィリピンのスーパー台風ハイヤン後の救済復興活動を支援するため、緊急対応に特化したポーランドのNGO「Polish Humanitarian Action」が水曜日と木曜日にチャリティー募金を開催する。国立スタジアムのlevel -2 zone 1のクロークルーム付近で午前8時から10時まで、level -1 zone A9のスタジアムメイン出口で午後5時から8時まで、ボランティアが参加予定。最初の募金は先週金曜日に開催され、3,063米ドルが集められた。COP19参加者がそれぞれ20ドルを寄付すれば、約200,000ドルが募金されることになる。ウェブサイト(http://www.pah.org.pl)を通じて、オンラインで寄付することも可能だ。

この募金は、COP19/CMP9議長とUNFCCC事務局がサポートしている。

また、フィリピンで活動しているNGO4団体からの若い代表団が、先週Twitterstormという資金集めのイニシャティブを立ち上げた。ウェブサイト(http://bit.ly/1cX8WiQ)を参照のこと。

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This issue of the Earth Negotiations Bulletin © <enb@iisd.org> is written and edited by Jennifer Allan, Beate Antonich, Alice Bisiaux, Elena Kosolapova, Ph.D., Mari Luomi, Ph.D., and Annalisa Savaresi, Ph.D. The Digital Editor is Francis Dejon. The Editor is Pamela S. Chasek, Ph.D. <pam@iisd.org>. The Director of IISD Reporting Services is Langston James “Kimo” Goree VI <kimo@iisd.org>. The Sustaining Donor of the Bulletin is the European Commission (DG-ENV). General Support for the Bulletin during 2013 is provided by the German Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation and Nuclear Safety (BMU), the Ministry of Environment of Sweden, the New Zealand Ministry of Foreign Affairs and Trade, SWAN International, the Swiss Federal Office for the Environment (FOEN), the Finnish Ministry for Foreign Affairs, the Japanese Ministry of Environment (through the Institute for Global Environmental Strategies - IGES), the United Nations Environment Programme (UNEP), and the International Development Research Centre (IDRC). Funding for translation of the Bulletin into French has been provided by the Government of France, the Wallonia, Québec, and the International Organization of La Francophonie/Institute for Sustainable Development of La Francophonie (IOF/IFDD). The opinions expressed in the Bulletin are those of the authors and do not necessarily reflect the views of IISD or other donors. Excerpts from the Bulletin may be used in non-commercial publications with appropriate academic citation. For information on the Bulletin, including requests to provide reporting services, contact the Director of IISD Reporting Services at <kimo@iisd.org>, +1-646-536-7556 or 300 East 56th St., 11D, New York, NY 10022 USA. The ENB Team at the Warsaw Climate Change Conference - November 2013 can be contacted by e-mail at <alice@iisd.org>.

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